Twitchにおけるモデレーション

Twitchでは、チャットのメッセージのモデレーションや安全確保の手段として、AutoModや視聴者をモデレーターに昇格させる機能、コミュニティでチャットを利用する前にユーザーに特定の認証を要求する機能など、複数のツールが用意されています。

重要: モデレーターはコミュニティ内で強力な権限を持つことになります。慎重に選びましょう。

モデレーターの選び方

モデレーターはあなたのコミュニティの重要なメンバーであり、様々な貴重な役割を担えます。モデレーターは新規視聴者や久しぶりに参加した視聴者に挨拶したり、あなたがゲームに集中している間にチャットで交流したり、そして何よりも、あなたのチャンネルの安全を維持してくれます。モデレーターに選ばれた人物は、チャット内のユーザーを発言禁止にしたり、チャットから追放したりと、他の視聴者が利用できないツールにアクセスできるようになるので、あなたはその人物を信頼して、大きな責任のある仕事を託すことになります。配信を始める際には少なくとも1人はモデレーターを用意しておくことをおすすめします。誰に頼めばいいのかよく分からない場合は、あなたが信頼する友人や家族に頼むのがおすすめです。場合によっては、知り合いになったクリエイター同士が、お互いのコミュニティのモデレーターになることもあります。

モデレーターの役割はとてもやりがいがあります。通常、モデレーターはコミュニティ内で最も知られている人物であり、他の視聴者が利用できない機能やツールにアクセス可能で、あなたがコミュニティを形作る際のガイドとなる洞察を提供することであなたに貢献することも可能です。

モデレーターとは正直に向き合うことが重要であり、モデレーターになればそれまでと同じように配信を楽しむことができなくなるかもしれないことなど、彼らが直面するかもしれない困難について包み隠さず話すことが重要です。ほとんどのコミュニティでは、これらの基本ルールを伝達したり、配信後にプライベートに対処する必要がある問題を提示したりするために、Discordチャンネルやグループダイレクトメッセージを利用しています。

モデレーターのためのガイド

Ezekiel_III が言ったように、「モデレーターはTwitchの生命線」です。配信中にコミュニティの安全が確保され、Twitchがストリーマーやコミュニティが成長するための絶好の場所となれるのは、あなたの熱心な努力のおかげです。

ストリーマーとモデレーターのパートナーシップはTwitchで最も重要な関係のひとつです。Twitchで活動を続けている経験豊富なモデレーターたちに、チャットのモデレーションに役に立つヒントを聞きました。

自分のコミュニティをよく把握しましょう。コミュニティの一部となり、視聴している人たちのことを知りましょう。あなたは彼らを手助けする能力を持っており、生涯記憶に残るような瞬間を生み出す手助けをしているのだということを理解しましょう。-0neAway
モデレーションは1人でやるものではありません。他のチームによる活動と同様に、仲間のモデレーターたちとコミュニケーションを取って連携すれば、各人の負担が軽減されます。モデレーターが3人でも30人でも、チームが密接に協力し合えるほど、何か問題が発生したときに素早く、容易に対応することが可能になります。-Dombek
利用可能なモデレーターツールについて学びましょう。モデレータービューを使っていないなら、チャットのモデレーションを迅速に行うためにTwitchが用意している様々な便利なツールを見逃しているかもしれません。また、他のモデレーターと連絡を取り合えるようにDiscordでモデレーター用のチャットルームを用意したり、チャットでよくある質問に答えるために、ストリーマーにチャットボットを設定させるのがいいでしょう。これらのツールを把握して活用すれば、あなたの仕事が容易になり、もっと楽しめるようになるはずです。-Doladdar

モデレーターの仕事を容易にするために、Twitchはモデレーター専用のダッシュボードである「モデレータービュー」を用意しています。モデレータービューでは、AutoModによりフラグ付けされたメッセージに対するアクションを実行したり、関連ユーザーの詳細を表示したりするための専用スペースがモデレーターに提供されます。これにより、モデレーターはライブ配信中でもチャットやビデオプレイヤーを表示したまま、簡単にツールを利用できるようになります。

モデレーターはこちらからモデレータービューダッシュボードにアクセスできます。モデレータービューの設定や使い方などの詳細については、こちらのヘルプ記事をご覧ください。

最新の機能のアップデートと不具合の修正については新要素のフィードをご覧ください。モデレータービューの左下にある星のアイコンをクリックすると見ることができます。新着情報がある場合はこのアイコンが緑色に光ります。

「誰もが快適に過ごせるコミュニティ運営のために、嫌がらせは一切許容しません。不適切なコメントがあった場合は口頭で注意します。それでも続く場合は対象者を追放します」- LoadingReadyRun

コミュニティの安全性

Twitchセーフティセンターには、あなたとコミュニティの安全を守るために必要な情報がまとめられています。コミュニティガイドラインやアカウントのセキュリティ、モデレーションツールなどに関する情報をご覧いただけます。あなたが様々なやり方でチャンネルの安全を守れるように、Twitchは多様なツールを用意しています。各種対策ツールをどう使うかはあなた次第です。

チャンネルのモデレーション設定でこれらをカスタマイズして、自分のチャンネルに合ったルールセットを作成しましょう。

AutoMod	AutoModは4段階のレベルから選択可能です。設定したレベルに応じて、AutoModが差別・露骨な性的表現・敵意表現・禁止用語の4カテゴリーにおいて疑わしいメッセージを保留する程度が変化します。
ブロックする/許可する言葉やフレーズ	チャット内で特定の言葉やフレーズの使用を禁止したり、特定の言葉をAutoModが保留しないように設定できます。ブロックワードには、「」をワイルドカードとして使用できます。たとえば、ブロックワードに「ヘイト」と追加すると、「ヘイトスピーチ」や「ヘイトスピーチ問題」もブロックされます。この機能で、1つのURLのバリエーションをまとめてブロックすることも可能です。
ハイパーリンクをブロック	他のユーザーがチャット内でURLを投稿できないようにします。チャンネルのモデレーター、エディター、VIPは例外となります。
確認時間設定	送信されたメッセージがモデレーター以外に表示されるまでに短い遅延時間を設定できます。この遅延時間中にモデレーターがメッセージを禁止すれば、そのメッセージはチャット内の人々の目に触れる前に削除されます。
メール認証＆携帯電話番号認証	チャットに参加する視聴者に、メールアドレスか携帯電話番号の認証を求めることができます。あなたが設定した要件を満たしていないユーザーはアカウントを認証するようにメッセージが表示され、その後、(設定されている場合は)チャットメッセージを送信できるようになるまでに一定時間待たなければいけなくなります。たとえば、あなたのチャンネルをフォローしている期間が1日に満たない視聴者のみに認証を要求することも可能です。また、サブスクライバー、VIP、モデレーターを認証の対象外にすることもできます。
チャットルール	初めての視聴者には、チャットルームの上にチャンネルのルールがポップアップして表示され、「同意する」をクリックしなければチャットに書き込めないので、初めての視聴者もあなたのルールを知ることになり、彼らがルールに違反しにくくなります。
モデレーター	AutoModが盾ならばモデレーターは剣です。この役割はあなたが他のユーザーを指名して任命するものであり、彼らはチャンネルの規模が拡大しても、居心地のいい安全な場所にすることを手伝ってくれます。最初からクリエイターのチャンネルを視聴していた古参の視聴者がモデレーターになることが多く、彼らはチャットで視聴者を追放したり、発言禁止にしたり、様々なチャットモードを有効にしたり、個々のメッセージを削除したり、AutoModが保留したメッセージを承認/拒否したり、ブロック/許可する言葉を追加できます。チャットに「/mod {ユーザー名}」と入力すれば、ユーザーをモデレーターに任命できます。
発言禁止 & 追放	これらのコマンドは、特定のユーザーのチャットへのメッセージの投稿や送信を一時的または永久に禁止するものです。チャットに直接コマンドを入力して適用するか、チャットでユーザー名をクリックすると開くユーザーカードから適用できます。発言禁止は、ユーザーがチャンネル内でメッセージを送信することを禁止します。デフォルトでは、発言禁止時間は600秒(10分)に設定されていますが、チャットで「/timeout {ユーザー名} [秒]」と入力すれば、発言禁止時間をカスタマイズできます。追放は、そのユーザーが追放されている限り、そのユーザーのメッセージの入力、チャットの表示、チャット内のモデレーター以外のユーザーのリストの表示を禁止します。チャンネル内で追放されている全ユーザーの確認および編集は、モデレーション設定で行えます。
チャットモード	特に大勢の人が参加している状況などでは、チャットが目まぐるしく流れることがあります。チャットが流れるスピードが速すぎてモデレーターが適切に管理できないときは、あなたかモデレーターがチャットコマンドを入力することで、特定のユーザーやメッセージをフィルタリングするチャットモードを有効にできます。フォロワー限定モードは、あなたが指定した期間より長くチャンネルをフォローしているフォロワーしかメッセージを送信できないようにします。期間は0分（全フォロワー）から3ヵ月までの間で指定できます。重複チャット禁止モードは繰り返しのメッセージを禁止します。スローモードは一定の時間が経過しなければ新たなメッセージを送信できなくなるモードです。デフォルトでは120秒待たなければ新たなメッセージを送信できないようになりますが、この時間はあなたが設定からカスタマイズできます。サブスクライバー限定モードはチャンネルのサブスクライバー、VIP、モデレーターのみがチャットできるようにして、その他のメッセージをすべて禁止します。あなたがパートナーかアフィリエイトでないなら、チャットできるのはモデレーターのみとなります。スタンプ限定モードはモデレーター以外のユーザーはチャット内でスタンプしか利用できないようにするものです。
チャットのモデレーター用ツール	これを有効化すると、モデレーターがあなたのチャンネルのチャット履歴やユーザーの追放履歴を確認したり、特定のユーザーに関するコメントを残したり、他のモデレーターが残したコメントを見ることができるようになります。
追放措置回避検出	追放措置回避検出は機械学習を利用して、あなたのチャンネルで追放措置を回避している「可能性がある」ユーザーや「可能性が高い」ユーザーがチャットに入ってきた際にフラグを立てます。

AutoModの設定

AutoModは、機械学習と自然言語処理アルゴリズムを用いて、チャットに投稿された不適切または不快な可能性があるメッセージを保留し、チャット内の他の視聴者の目に触れる前に、クリエイターまたはチャンネルモデレーターが審査できるようにする機能です。AutoModを使えば、クリエイターが許容される発言の基準を構築できるほか、24時間体制でチャットのモデレーションを行ってくれるので、自分自身にとってもコミュニティにとっても、よりポジティブな体験を作り出せます。

今後の予定はどうなっていますか？

Twitchのサービス利用規約とコミュニティガイドラインが守られているか確認するために、Twitchのモデレーターチームが365日24時間レポートをチェックしています。ガイドライン違反またはその他の不愉快な行為をしているユーザーを見つけたり、誰かに嫌がらせを受けた場合は、適切に対処するためTwitchに報告してください。違反ユーザーを報告するとレポートが作成され、Twitchが確認します。

サービス利用規約に違反していないものの迷惑なユーザーがいた場合は、そのユーザーをブロックすれば、そのユーザーのメッセージが表示されなくなり、そのユーザーからあなたがメッセージを受け取ることもなくなります。

以上で、モデレーターを選ぶ際に注目すべき基本的な事柄と、モデレーターが知っておくべき用語について学ぶことができました。次はいよいよ実践です。自分のモデレーターと相談して計画を立て、あなたが目指すコミュニティ体験を構築することを楽しみましょう。クリエイターキャンプの他の記事もチェックしてみてください。また、人気クリエイターによる「モデレーションのスタイル」についての対談もお見逃しなく。